今日、8月1日は「水の日」だとご存知でしょうか。1977年に当時の国土庁が制定した記念日で、1年で最も水の使用量が多い月である8月の始まりに、水の大切さを見つめ直そうという趣旨で定められました。今日から1週間は「水の週間」として、全国で節水や水資源についての啓発が行われるそうです。
蛇口をひねれば当たり前に出てくる水ですが、実は料理の味を大きく左右する、隠れた主役でもあります。そば半にとって、この「水の日」はまさに自分たちのことを言われているような記念日です。
■ そば半は、水にとことんこだわっています
そば半では、そば打ちにも出汁取りにも、地元・焼津の海洋深層水を脱塩した「駿河純水」を使っています。そば粉と水だけで打つ十割蕎麦は、水選び次第で仕上がりが大きく変わります。「駿河純水」で打ち上げると、そばがしなやかになり、のど越しが驚くほど良くなるのです。
出汁取りにも同じ水を使うことで、雑味が出ないだけでなく、出汁がめちゃくちゃ濃く引けるという特徴があります。さらに、そばつゆの「返し」には、駿河純水を作る過程でできる副産物「駿河濃水」を使用。駿河純水の2倍以上のミネラルを含むこの水を、一人前あたり8.3cc加えることで、そばつゆに他にはない「キレ」を生み出しています。
そば打ちの水、出汁の水、返しの水。そのすべてに、駿河湾の深層水を選び抜いて使う。これほど水にこだわるグルテンフリー専門店は、他にないと自負しています。
■ 世界は硬水だらけ。日本の「軟水」は実はレアキャラ
海外旅行に行って、シャンプーをした瞬間に「あれ?」と思った経験はありませんか。泡が立たない、流したあとの髪がギシギシ、ガビガビ。あれは髪が傷んだのではなく、水が違うのです。
水の硬さ(硬度)はカルシウムとマグネシウムの量で決まります。石灰岩の地層を長い時間かけて流れる水はミネラルをたっぷり溶かし込むので硬水になる。ヨーロッパ大陸やイギリス南東部、アメリカ中西部、中国北部あたりはまさにそれで、硬度300を超える水も珍しくありません。
一方、日本は花崗岩や火山岩が多く、しかも川が短くて急。水が地層に留まる時間が短いので、ミネラルを溶かし込む前に海へ出てしまう。結果、硬度50〜80程度の軟水になります。
では日本だけが特別かというと、そうでもありません。同じ条件——古い硬い岩盤と短い河川——が揃う地域は世界にもあって、ノルウェーやスウェーデンなどスカンジナビア半島、スコットランド北西部やアイルランド西部、カナダ楯状地の一部、ブラジルのアマゾン流域、それにインドネシアやフィリピンの火山島の一部などが軟水地帯として知られています。ただ、人口が集中する大都市圏の多くは硬水。世界全体で見れば、軟水で暮らせるのはかなりの少数派なんですね。
面白いのは、日本のスーパー銭湯が海外進出するときの話。あの「湯上がりのすべすべ感」は硬水では再現できないので、わざわざ軟水器を設置して、日本の水質そのものを持っていくのだそうです。売っているのはお湯ではなく、水質だった、というわけです。
■ 今日のちょっと役立つ話:美味しい水の見分け方
「美味しい水」と一言でいっても、実は好みが分かれるところです。一般的には、ミネラル(特にカルシウムとマグネシウム)のバランスが取れた水は「まろやか」に感じられ、ミネラルが少なすぎる水は「淡白」、多すぎると「重い」と感じられやすいと言われています。
料理に使うときのコツとしては、出汁を取るなら軟水。ミネラルが少ないぶん素材の味をすっと引き出してくれますし、肉や魚を柔らかくする効果もあります。逆に、深層水由来のミネラルをあえて活かすという個性的な選び方もある。同じ「水」でも、何に使うかで最適な一杯は変わってくるのです。
——というわけで、そば半のそばとつゆがおいしいのには、ちゃんと理由があります。海洋深層水を脱塩した、限りなく純水に近い水で打つ。余計なものが何も入っていないから、そば粉そのものの香りが立つ。つゆも同じ水で引くから、出汁の輪郭がぼやけない。
水を選べるというのは、実は世界的にはけっこう贅沢なことなんです。
■ 水の日に、あらためて
普段はあまり意識しない「水」ですが、こうして立ち止まって考えてみると、私たちの一杯がどれだけ水に支えられているかを実感します。
これからも、素材と水にこだわった一杯をお届けしてまいります。皆さまのご来店を、そば半スタッフ一同心よりお待ちしております。

