2026年、健康に関心のある人たちの間でいちばん注目されているキーワードは「腸内環境」だそうです。外食シーンでも「我慢しないグルテンコントロール」という言葉が広がり、女性の約8割がグルテンフリーに関心を持っているというデータも話題になっています。無理に我慢するのではなく、食べながら体を整える。まさにそば半が創業以来ずっと掲げてきた「グルメとダイエットの両立」そのものだな、と嬉しくなるニュースでした。
ただ、今日はあえて「がんばりすぎないでほしい」という話をさせてください。私自身が、思いきり失敗した経験があるからです。
■ 今日のちょっと役立つ話:調味料まで気にしすぎて、ノイローゼになりかけた話
グルテンフリーというと、パンやパスタ、うどんのような「主役」の小麦料理を避けることを思い浮かべる方が多いと思います。ですが実は、小麦は脇役である調味料にもひっそり潜んでいます。
代表的なのが醤油です。一般的な濃口醤油の多くは、大豆と「小麦」を原料に発酵させてつくられています。カレーやシチューのルー、めんつゆ、だしの素にも、とろみづけや風味づけのために小麦由来の原材料が使われていることが少なくありません。原材料表示をよく見ると、「小麦を含む」という注記がひっそり書かれていることがあります。
……この事実を知ってしまった当時の私(ナイス興津)は、すっかり神経質になってしまいました。
スーパーでは一つひとつ原材料表示を確認し、外食に行けばメニューより先に「これ、何で味付けしていますか」と店員さんに尋ね、人と食卓を囲んでいても、頭の中は小麦のことでいっぱい。気づけば、あれほど好きだった「食べること」が、まったく楽しくなくなっていました。正直に言えば、ちょっとしたノイローゼでした。
そんな時期を経て、今の私はこう思っています。
小麦アレルギーをお持ちの方にとって、これは体調に直結する切実な問題です。そこは絶対に譲れません。でも、アレルギーがないのであれば、そこまでストイックにやらなくてもいいのではないか、と。
食事は本来、楽しいものです。神経をすり減らしながら「正しく」食べることよりも、美味しいものを気持ちよく食べられることのほうが、きっと心にも体にもいい。完璧を目指して食卓が窮屈になってしまうくらいなら、少しくらい緩くていいのです。
とはいえ、そば半に来ていただいたときくらいは、何も考えずにいてほしい。だから私たちは、お店の側で徹底することにしました。十割そばはもちろん、天ぷらの衣も、そばつゆの返しに使う醤油も、すべて小麦を一切使わずに仕立てています。
ラベルを確かめる必要も、店員に尋ねる必要もありません。ただ「美味しいね」と言いながら食べていただければ、それでいいのです。がんばるのは、私たちの仕事ですから。
■ なぜ「前日に挽いた粉」ではダメなのか。そば半が毎日自家製粉する理由
そば半のそばは、そば粉と水だけで打つ十割そばです。使っているのは、北海道の契約農家で無農薬・有機質栽培によって育てられたそばの実。このそばの実を、そば半では毎日店内で自家製粉しています。
そば粉は、挽いた瞬間から香りがどんどん失われていく、とても繊細な粉です。空気に触れることで酸化が進み、時間がたつほどに風味は落ち、そば本来の豊かな香りは薄れてしまいます。だからこそ、多くのそば店にとって「粉をいつ挽くか」は、味を左右する重要な工程なのです。そば半では、その日にお出しする分だけを店内で挽くことで、そばの実が持つ香りとコシを、できるだけ損なわないままお客様の器までお届けすることを目指しています。
余計なものを加えず、そば粉と水、そして焼津の海洋深層水の脱塩水「駿河純水」だけで打つ。シンプルであることが、いちばんの贅沢なのかもしれません。
暑さもまだ落ち着かない毎日ですが、のど越しの良い十割そばで、これからも皆さまの食卓を、美味しさの面からそっと支えていけたら嬉しく思います。どうか、力を抜いて。今日もこの記事を読んでくださり、ありがとうございます。
そば半 登呂本店
静岡県静岡市駿河区登呂6-2-1
TEL:054-286-6333
営業時間:月曜 10:00〜14:30 / 水〜日曜 10:00〜20:00(通し営業)
定休日:火曜日
▶ 店舗の詳しいご案内はこちら
▶ そば半のこだわりについて

